今回は今話題のUberとトロントに関連するニュースがあったのでお届け。現地の反応やUberについても簡単にまとめてみました。
トロントでUberに対するストライキが中止に。
トロントでこの3連休中に予定されていた、配車サービス”Uber”の規制を求めるタクシードライバーによるストライキが中止されたそう。11日、地元紙Metoroが報じました。
トロントで10年間タクシードライバーをNaser Kaidさんはむしろこのボイコットの中止を喜んでいる。彼らの同僚は、混雑が予想されていた週末の交通状態を妨害してまで、ボイコットを敢行する予定だったが結果その必要はなかった。Uberの登場は、良い意味で交通産業にプレッシャーを与えているし、これからの競争を歓迎している。とコメント。
「これは健全な競合だよ。私はUberのためには働いていないが、彼らがここに来てくれて嬉しいよ。」
トロントのタクシー会社Beck Taxiが従業員を、ファミリーデイやMBAオールスターと盛りだくさんな今週末でのボイコット敢行をやめるよう説得し、中止させた形だ。その後、The United TaxI Workers Assosiationが正式に発表した。
しかし、未だに世界中でUberに対するストライキはおこなわれている模様。モントリオールの市長は、先週水曜日に起こったピエール・エリオット・トルドー空港でのUber規制を求めるストライキに対し、一時的にUberの利用停止を呼びかけた。また、ロンドンでは8,000人のタクシードライバーが道を埋め尽くし、Uber規制を求めた。
それでもNaser Kaidさんのタクシー業界に対する見通しは明るい。
「Uberの参入はタクシードライバーに対して多くの金銭的恩恵をもたらすだろうね。彼らの参入から業界は大きく変わったのも確かだよ。」
「例えば、従業員の扱いとかね。Uberが来るまでは私たちはまるで奴隷のように扱われていたよ。彼ら(タクシー会社)が私たちに言うことは『鍵預けたら帰って』だけだったけど、もうそんなことは起こらない。僕たちタクシードライバーにも選択肢があることを彼らは知ったからね。」
また、他のタクシードライバーも語った。
「もうUberとその成功に対して妬ましさを抱くのは辞めるべきだよ。これは若い奴らのものなんだ。競合はできないよ。」
そもそも”Uber”とは?
アメリカ合衆国の企業であるウーバー・テクノロジーが運営する、自動車配車ウェブサイト、および配車アプリのことです。2009年にトラビス・カラニックとギャレット・キャンプにより設立され、現在では58カ国、300都市でサービスを展開しています。その勢いはまさに爆発的で2015年半期のみで売り上げは500億ドルと言われています。すごい。
具体的に何やってんの?
システムは以外とシンプル。通常の配車サービス(一般的なタクシーのような)+一般人が空き時間と自家用車を使って他人を運ぶという仕組みです。この二つ目のサービスが世界中で賛否両論。タクシードライバーとしては「一般人にそんなことされたら俺たちの職業って一体…」って感じでボイコットやストライキが起こっているのです。法的にもグレーゾーンな部分もなきにしもあらず…どうなんでしょう。
特徴
特徴としては、タクシーの呼び出しから料金の支払いまですべてスマホアプリ上で完結するという点。地図上で乗車したい場所を指定し、乗車。降車時の支払いは事前にアカウント情報に登録しておいたクレジットカード情報をもとに決済されます。「現金なんか持ち歩かねーよ。」的な北米的発想の賜物でしょうか。ジーザス。
また、どこの国へ行っても料金のぼったくりや領収書の未発行など、何かと問題が多かったタクシー業界。Uberを使えばそういった心配はありません。信頼性といった部分は強みでしょう。
最後にUberでは「相互評価制度」というものを取っています。ざっくり言うと、乗せる方も乗せてもらう方もお互いを評価しようよ。ということです。当然、満足度の高いドライバーや顧客はもっとサービスを快適に利用できるわけです。
日本では?
日本では2015年2月に2つ目のサービス(一般人による配車サービス)が福岡県で実用化されたそうです。なんで福岡。しかし国土交通相から白タクに当たるとしてサービス中止に。通常のタクシー配車は2014年8月から東京でサービスを開始。安倍首相からも、渋滞量や環境への配慮からライドシェアの加速や交通法の規制緩和を検討との発言も。しかし、東京での利用状況を見る限り、まだ日本では浸透してるとは言い難い状況です。サービス面も発展途上とか。まあ、単純にタクシー乗らないもん東京人。
カナディアンの反応は?
さて、Uber。現地の人は参入に関してどう思っているのでしょうか。「Uberも法規制すべきだよみんなそう思ってるよ世論調査も言ってるよ!!!!」的な思いっきりアンチUberな記事からコメントを拾ってみました。CBCから。
http://www.cbc.ca/news/politics/grenier-uber-taxis-polls-1.3444345
コメント
なんでカナダ人は政府になんでも規制してもらおうとするの?
全然タイトルと本文噛み合ってないよ…読めばUberを利用したことのあるカナダ人のほとんどが規制を望んでいないのがわかる。
Uberは法律に従うべき。
そんなストとかやるくらいならUberの元で働けばいいのにね。
多くの規制は革新的なサービスをダメにしてしまうよ。
Uberのドライバーはなにも直接お金をもらってるわけでもないし、特別な装置を持ってるわけでもない。タクシーとなんら変わりないのに多くの人がこうやって支持している。既存のタクシー業界はただ客が逃げていくのが怖いの。
みんなが守ってる法律は守らないとね。たとえ便利でも。
今までのタクシーは問題だらけだと感じてたしいいんじゃない規制しなくて。彼らは私たちがokだってかろうじて思えるようなサービスにそれ以上の料金を私たちに課していたよ。
タクシーもう使わないわ。Uberはここに残るべき。
それにしてもCBCはタクシー協会に記事校正させたの?全然タイトルと中身違うよ笑
タクシー業界の独占を壊すにはうってつけだね。素晴らしい。
まとめ
この記事よく読むとほとんどのUberを利用したことのないカナディアンが反対してるってだけで、なにも国民の総意ではないんですね。どうも偏向報道ぽい。
まとめると、Uber参入に関して良い印象を持っている人は多くいそうです。どっちかというと既存の独占的タクシー業界のサービスに対しての不満が大きかったよう。停めて運転手に行き先を告げたら、運賃が不十分なのからか断られた。わざと遠回りされてぼったくられた。など体験談も見られました。
近年、宿泊サービスのairbnbもそうですが、「稼働していないヒト・モノ」の有効利用+それらを安く利用したい人たちという2つのニーズが合わさったようなビジネスモデルが流行ってるんだとか。「Share型Platformビジネス」と呼ばれるそう。意識高い臭のものすごいこの単語ですね。 個人的にこれからこの類の動きは加速するんじゃないかと思います。なんとなく北米にいるとこの手のベンチャー企業カッケーみたいになりますね。それでは。