ヴィーガンの地位向上を目指す動き [地元紙からピックアップ]

今回は24hours Torontoからビーガンに関する記事をご紹介。多くのヴィーガン人口を抱えるオンタリオ州トロント。そこでは”ヴィーガン”の地位向上を目指す動きがあるとか。

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ヴィーガンの生活を人権として守るべき?

オンタリオ州人権協会(the Ontario Human Rights Commission)はヴィーガニズムを宗教的信条として分類すること、また彼らの生活スタイルを人権として守るよう裁判所に求めているそう。砕いた言い方でいうと、ベジタリアンの人たちの考え方を法的に認めてもらって、地位向上を目指そうということでしょうか。

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そもそもヴィーガン・ヴィーガニズムとは?


一般的には動物製品を使わない生活様式を指します。厳密に言うと、エシカル・ヴィーガニズムとダイエタリー・ヴィーガニズムに分かれるそう。前者はあらゆる動物製品の使用を否定するもので、早い話、食事だけでなく衣類などに関しても使用を拒否するそう。後者は純菜食主義とも呼ばれ単に食事から動物製品を省くのみにとどまります。一般的にビーガン、ベジタリアンとは後者を指します。

“現代では、多くの宗教から派生したものではないような倫理観が生まれていることは確か。”

動物愛護団体のNick Wrightさんは語る。

“このような倫理観の地位向上は多くの人を助けることになるだろうね。”

Camille Labchukさんは2011年からOHRCに法的にヴィーガニズムを認めるよう活動を続けている。
“この活動を流行りに乗っかってるだけなんて言わせない。私は人々が自身の動物製品との関わり方への信条が原因で差別に合うというようなケースをよく聞くよ。”

このようなヴィーガン活動家の方は法律が変われば多くのヴィーガンが恩恵を受けるだろうと考えている。それは、学校の動物解剖の授業であったり、動物製品の衣類の着用の強制であったり、さまざまなヴィーガニズムと反する行動を自ら拒否できる権利が与えられることを意味します。

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中には反対意見も…

しかし、すべての人がこのような活動に共感しているというわけではなさそうだ。

国際的人権団体であるB’nai B’rith InternationalのAmanda Hohmannさんは語る。
“人権法や、人権協会は人々の文化的、倫理的、宗教的迫害から人権を守るために設立されたものであって、キャロット・イーター達(ヴィーガンを皮肉っているのでしょうか。)の主張は、これまで我々がしてきたことを馬鹿にしているね。”

国内の人口の4パーセントがヴィーガンと言われるカナダ。トロントも当然多くのヴィーガン人口を抱えています。街を歩くとヴィーガン専用のレストランも発見することができ、菜食主義の生活が根付いていることが伺えます。ただ、宗教的信条と同列の地位を獲得するにはまだまだ時間がかかるのでしょうか。

中西一樹

中西一樹

1994年生まれ。大学ではメディア専攻。2015年9月からワーホリでトロントへ。FC.TokyoとTottenham Hotspurのファン。